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1990 -Antwerpen- [1990 Europa]

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(MINOLTA α7700i / AF ZOOM 35-105mm f3.5-4.5 / RHP / EPSON GT-X970)






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ブリュッセルから40分ほどで次の目的地アントワープに到着する。

今でこそ、アントワープにはMASやポートハウスなどの建築学生が観にいくであろう建築が
あるが、当時は聖母大聖堂や中央駅ぐらいが名の通った建築物で建築巡礼の学生が僅かな日
程の中でわざわざ立ち寄る街ではなかった。
では、なぜわざわざ立ち寄ったのか。
それは聖地巡礼である。
アントワープは、かの名作「フランダースの犬」の舞台となった街である。
ここの聖母大聖堂でネロも見たルーベンスの絵をどうしても観ておきたかった、ただそれだけ
であった。

しかし、私はここでこの旅最大の失敗をやらかす。

到着駅は「アントワープ中央駅(Antwerpen)」のはずなのに、一つ手前の「アントワープ-
ベルヘム駅(Antwerpen-Berchem)」という駅で降車してしまう。
アントワープ中央駅は「駅の宮殿」とか「駅の大聖堂」とも言われる壮大な駅舎なのでわかり
そうなものだが、「裏口に出たかな?」ぐらいに考えた私はそのまま街に出て、気づいた時に
はすっかり道に迷っていた。

よほど悲愴感が漂っていたのか、一人のおばさんが声をかけてくれた。
たぶん私が地図を示して「インフォメーションに行きたい。」と身振り手振りで伝えたのであ
ろう、彼女はインフォメーションのある中心部のマルクト広場まで案内してくれた。

さて、ここのインフォメーションで無事に市内の詳細な地図とユースホステル(YH)のリスト
を手に入れることができたが、今度は目当てのYHになかなかたどり着かない。
日もだいぶん傾いてきたので、犬を散歩中のおじいさんにやはり身振り手振りで道を尋ねた。
すると、そのおじいさんは犬を連れながら目的のYHまで連れて行ってくれたのである。

これで無事に今夜の宿を得ることができると安心したのも束の間、レセプションで「今日は
満床である。」旨を告げられる。
ガックリ肩を落としていると(落ちていたと思う)、ロビーにいた一団の中から「ワタシ、ニ
ホンニイチネンカンリュウガクシテイマシタ。」と女性の声が。
女神様降臨!
オランダ人であるという彼女の通訳によると、この日はYHの大会があってアントワープのYH
はどこも満床であるとのこと。
なので知っている安いB&B(Bed&Breakfastである。「もみじ饅頭!」ではない。)を紹介
してくれ、更にそこまで案内してくれたのである。

日記のメモによるとこの日泊まったB&Bは一泊650ベルギーフランとある。
そのうち100フランはキーデポジット(保証金)とあるので、実質550フラン、約2750円で
あった。

本当に現地の方々に助けられた半日であった。

優しいおばさんやおじいさん、日本語のできるオランダ人の女神様に出会わなければ2月真冬
のアントワープの寒空の下で、危うくパトラッシュの引く荷車に乗って天に召されるところで
あった。







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コメント 6

engrid

旅先での心細い思い、戸惑い途方に暮れて
そんなときの、手を差し伸べてくださる、暖かさ、優しさ、
嬉しい、女神降臨。まさにですね
よい方ばかりに巡り合われ、出会いの幸せ
ほっておけない、たすけた上げたくなる、そんなお人柄でいらっしゃいますのね、、
聖地巡礼、、その先を楽しみにしております
by engrid (2019-02-07 22:55) 

icarus

>engridさん
よほど不安げなオーラが漂っていたのでしょうね。(笑)
by icarus (2019-02-09 22:16) 

JUNKO

icarusさんのお人柄のせいですよ。忘れられない思い出として残ったのですね。いいお話でした。
by JUNKO (2019-02-09 22:22) 

icarus

>JUNKOさん
本当に忘れられない思い出の一日でした。
by icarus (2019-02-09 23:16) 

nd502

アントワープというと映画「遠すぎた橋」を思い出します。
by nd502 (2019-02-10 07:43) 

icarus

>nd502さん
「マーケット・ガーデン作戦」が舞台の映画とは知っていますが、観たことはありません。
by icarus (2019-02-10 22:36) 

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